NOTボーナス ガンパレードオーケストラ白の章(37)

一方その頃。 午前6時。 雪の中の校庭の真ん中で、谷口は、正座して反省している。
結局前日はずるずると、日が暮れるどころか日が暮れて2時間の18時頃まで咲良の傍にいたからだった。

反省どころではない。
もう二度とあんなことはしまいと思っている。

ちなみにあんなこととは、犬の図鑑を見るから手伝え、待機といわれ、谷口は身体を鍛える一方で咲良を見守っていたことを言う。

 咲良は2分おきにこちらを伺い、谷口はそのたびにちゃんと見てますよと、微笑むことになった。咲良が嬉しそうに笑ったり、見ているこちらが恥ずかしいくらい恥ずかしそうにしていたり、ちょっとづつ近づいてきたりするのにやられ、本格的に一緒に遊び、サンドイッチを持ってきた青の厚志がやってきて一緒に食事したり、昼寝を、見守っていて、いけない気分になって雪の中に頭を突っ込んだりするうちにあっという間に夜だった。

 部隊のために、皆を家に帰してやるためにやろうとしていたことが全然出来ない。谷口としては痛恨の日である。

駄目だと、思う。
そのまま、ああしていれば、そのうちうっかり何もかも忘れて、あの人を抱きしめて自分はどこかにいってしまう。

それでは駄目なのだ。それでは。

 昔谷口は、英雄が好きだった。その後、年端もいかない部下達をつれて歩くうちに、英雄になるよりも皆を家に帰してやるほうが大事だとそう思った。今もその思いは強い。
その後で一人の少女にあって、彼はまた考えを改めた。自分が本当に好きなものは、誰かを護ろうという優しさだということに。
英雄が好きなのではない。誰かを護ろうという英雄の心が好きだったのだ。

だから、あの人に惹かれてはいけないのだと思う。

3秒考えて、5秒間考える。考えたのは青い髪の人。ひどい甘えん坊。

 あの人に惹かれては駄目だと、心が叫んでいる。
あの人は、ただあまりに世界を知らないから自分を好いているだけ。
心を強くもとう。 どんな誘惑にも負けることなく、時として非情になるような。
遠いいつかであの人が、自分は幼かったと嘆いたりしないように。

そうして谷口は微笑むと自分の感情を押しつぶした。恋は終わりだ。

そして谷口は戦争が終わったら、人里はなれて一人猫を飼おうと思った。
何もかも終わったら、いじけられるだけいじけてやろうとそう思った。

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