NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(25)

 三十分後。学校の調理室。

「どうしよう、英吏と源、デキているかもしれない」
と、核爆発級の発言をしたのは思い詰めた金城である。
 近くの清流から汲んだ冷たい水を飲んでいた雪子は、むせた。
鼻から水を出すほどむせ、死にかける。
「なんですかその新手の新兵器は」 雪子は五分ほどかけて立ち直って、言った。
対する金城は、ちょっと泣きそう。急に動きをとめて、考えた後、言った。
「だって、妙なのよ。絶対なんか隠してる」
 ちなみに隠しているのは詳しい戦闘のありさまである。源も英吏も、ちょっと殴ったら敵は逃げていったとか、そういう話しかしていない。

その隣で、長い手足を抱いてへこんでいた斎藤が、ちょっと元気をだして、口を開いた。彼女は助け出した金髪の女の容態が急変した時点で、邪魔だと言われて学校に戻されている。
「そんなことはないですよ。だって、英吏さんは……好きな人いるから」
 そして、自分の言葉で、へこんだ。斎藤もちょっと涙目である。
 腕を振って腕を止め、拳を握る金城。
「それが源じゃないってどうして分かるのよ。どうしよう……どんな蹴り技なら変態治せるんだろう」
「紅さん」
 斎藤が小さい声で言うと、金城は鼻で笑った。
「あいつは権力者相手なら誰だってああよ。ついでに言えば、英吏はあんな女、便利な道具くらいにしか思ってない。知ってる?あいつが笑って見せる相手は源と結城だけよ。バカが好きなのよ。チョー愛してるの」
「素直に考えれば本命は結城さんでは」
雪子の冷静な返事。
「あそこまでいくとバカすぎなのよ、きっと」
金城の発言はめちゃくちゃである。理屈も何もない。自分の考えに囚われて、どんなことを言われても信用出来ないでいた。
斎藤はしばらく考えた後、体育座りのまま、言った。
「ば、バカが好きだなんてある訳ないじゃないですか」
「なんでよ」
短い金城の質問に、答えようとして、うまく声の出ない斎藤。
「だ、だって私、私だって……バカ、だし」
「そっか」憑き物が落ちたような、金城。
「そうですよね」納得する雪子。

肩を震わせて斎藤は叫んだ。
「否定ぐらいしてください!」
「何を」金城。
「どこを、ですか」雪子

泣く斎藤は床に両手を触れて窓ガラスを超振動で全部叩き割った。
う、うぇーんと声を上げて、窓から飛び出して走って行く。

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