NOTボーナス ガンパレード・オーケストラ緑の章(24)

 腕を吊って歩いて来た英吏を見て源の反応は分かりやすかった。
「ぶ、なんだよ英吏。腕使えねえのか」
「黙れ、健司。お前も同じだ」
英吏の反応も、分かりやすい。周囲にいた深澤と金城はそれぞれ腕を組んだが、源も英吏も、気にしてない。

源は首をのけぞらしながらガンつけた。にらみつけたのである。
「俺のは戦傷だ。てめえと一緒にするな」
「俺は斎藤から生き残ったのだ。お前とは格が違うんだよ。格が」
冷たく笑う英吏。二人は、見えぬ火花を散らした。

「なんだのあぁ?やるかこの野郎」
「面白い」

 根負けして動いたのは深澤である。
「やめてくださいよ源さんも英吏さんもー」
「そうだよ。なんでそんなに仲が悪いんだ」
竜造寺も、とめに入る。金城は腕を組んだまま、二人を緑色の瞳でにらんでいる。

 間に入る人が出ると、間の人を避けるように顔をずらしながら言い合うのがこの頃の源と英吏である。
「粋がってるデブは生まれる前から嫌いでね」
源がそう言うと、英吏は自分の唇をつき出しながら、言った。
「俺も頭の悪い奴と話すと、頭痛がするたちでな」
「なんだとこら」
「生まれる前に意識がある気か。ふん。笑止」

 ついに源の手が先に出たが、それより早く英吏の足が源の腹に決まりかけ、それより早く二人にジャンプ開脚キックが決まった。
金城だった。

華麗に着地し、スカートの裾を直す金城。
源と英吏が、倒れる方向まで並んでは倒れないとばかりに、バラバラの方向に倒れた。

ふん。と複雑に編んだ髪の毛を揺らす金城。不機嫌である。
「うるさい」
「む、むちゃくちゃですよ金城さん」
「うるさい、黙れ」
 びびって逃げ出す深澤。
金城の目は、怖かった。この人物にかかると名門だろうと熊本城攻防戦の英雄だろうと、形無しである。

 目だけは同じ方向に回ってる源と英吏をにらんで、金城は、大股で歩いていった。

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