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zoom RSS 白いオーケストラ 2月16日朝 セプテントリオン撤退

<<   作成日時 : 2006/03/02 20:23   >>

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 その日の朝、セプテントリオンのRSは、支部に残った最後の一人として、顧客へ撤収の挨拶をしていた。

 青空が、見えた。その日はびっくりするぐらい空が澄んだ、そんな空だった。低く立ち込める雲が消え、RSは空を見上げて、空が蘇ったと思った。

 互いに旅支度。
 RSは眼鏡を取り、表情を隠さずに初めて歯を見せて笑って見せる。
手をさし出す。
「いい、取引でした」

空も、微笑んだ。手を握り返す。

「いつもこんな取引ならいいんですが」
RSの言葉に、空は今はもう穏やかに口を開いた。
「そうだな。そうだ、報酬だったな」

 空は10円玉を取り出すと片方の眉を持ち上げて手を差し出したRSに投げて寄越した。

「受注した金額より10倍ほど多いですが」
「釣りはいい」

恭しく頭を下げて見せるRS。
「ありがとうございます。気っ風のいいお客様と仕事が出来て、私もとても良い気分でこの世界を去ることが出来ます」

二人は笑うと手を離し、そうして名残惜しそうに互いを見た。

空は口を開いた。
「本当は残念ではないのか? こんなところに飛ばされて」

RSは、首を振る。空が蘇ったように、RSも蘇っていた。
「いいえ。最近僕は失敗が続いてたので。……まあこれで、大手を振って返り咲くことが出来るでしょう。大戦果ですよ。1万のRBでも出来なかったことを、私はたったこれだけの戦力でやってのけたんですから」

 空が待っていると、RSは眼鏡をかけて、どこか恥ずかしそうに笑った。
「それに、咲良さんは僕の知り合いに似ている」
「それが本当の理由か、セプテントリオン」

 RSは、小さくうなずいた。 10秒待って、元気良くしゃべる。

「ええ。その通り。ついでに僕が寝取りたい人妻を助けられたんだから、パーフェクトゲームですよ。……貴方がまた私と取引してくれることを、ずっと。まっています」
「そうならないように努力する」

 RSの笑顔は、くずれなかった。かわりに、恭しく頭を下げた。
「それが真っ当な生き方だ。だが我々を使ってでも、助けなければならない人がいるのなら、貴方は我々を使うべきなのだ」

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