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zoom RSS 白いオーケストラ・前哨戦2

<<   作成日時 : 2006/02/28 14:41   >>

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 まだ雪が降っていた。
その心を映すような漆黒の衣を纏う岩崎は、飛んでいった谷口から目を逸らし、悠然とビルの屋上に現れる。

「菅原さんが死んだか」
 岩崎はイヤホンを外しながら、静かに言った。
「どんどん一人になるな。谷口くんは」
そうして、どこか面白そうに笑った。

岩崎に影のように付き従う一団が物陰から続々現れる。
倒れているエステルを一瞥し、部下に、この女を捕虜にする、もっていけと言った。
「葉月さんがあった目と同じ目にあわせてやろうじゃないか」

そして動かなくなったヤガミとセラを見下ろした。こりゃ、駄目だな。
「他の奴は……このままに。谷口くんに残しておいてやろう」

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 舞踏子は、弱い義体にしたことを激しく後悔していた。
スティックを操る速度が、追いつかない。
 ヤガミの名を叫んでRB希望号改で飛んだその瞬間、竜馬は瞬間移動。
姿が消える。

 舞踏子は未来予測を完全に越えて動き始めた黒衣の男に恐怖する。
相手は素手なのに。素手なのに。

至近距離に現れてRBのコクピットを守る上面装甲を殴る竜馬。
複合装甲そのものは傷もつかなかったが衝撃はコクピット内に伝わった。

舞踏子は鼻血を噴いた。大口径戦車砲弾が直撃して貫徹しなかった場合の戦闘室内と同じことがコクピット内で起きている。口の中を盛大に切り、血の混じった唾を吐く舞踏子。呼吸が出来ない。衝撃を受けた内臓が揺れて気分が悪い。

 希望号改はコントロールを失って地面に堕ちた。膝を折ってビルに頭をぶつける希望号改。
コクピット脇についた強制開放ハッチを開ける竜馬。

音を立てて開かれる装甲。
 舞踏子は逆光に照らされる竜馬を見上げることになる。

/*/

一方その頃。
 除雪もままならない白い道の上で、黒衣の工藤は目をおさえたまま竜馬様と呼んだ。
竜馬に抱きかかえられて飛んだ際の余りにも激しい動きで目の前が真っ暗になっている。
ブラックアウトである。

 手探り。何かが歩いてくる。

竜馬様っ。

喜んで顔を上げる工藤の額に、冷たい銃口が押し付けられた。


銃声。

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 コクピット内の舞踏子を見下ろし、竜馬は顔をしかめた。
本当に美人ばかりを集めやがると敵の悪趣味さをひそかに罵って、そうして口を開いた。
「ビルの上にお前たちの仲間がいる。殺してはいない。いけ。そしてもう、二度と俺には関わるな。……いいか。それが出来ずに仕事上仕方なく来るなら俺だけを狙え」

そして、涙目の舞踏子が気の毒になったか、少し考えて付け加えた。
「ちゃんと一人の時間はつくってやるから」

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