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zoom RSS エンドボーナストラック 瀧川ホームラン(1段階目) 

<<   作成日時 : 2006/02/04 12:56   >>

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時は2252、舞台は火星。
光すら届かない深い海の底に、恐るべき鯨のような形の潜水艦が無敵の速度で進撃している。その艦の名を、夜明けの船と言った。

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「やっほタッキー」
少女エノラ・タフトは夜明けの船、第2ハンガーの出入り口の階段に座り込んでいじけているピンク髪の少年に声をかけた。
 エノラは本来、家柄から言えばピンク髪の少年などとは口を聞く事が許されない大変なお嬢様なのだが、お転婆なせいか、生来の性格か、ちっともそういうことを考えずに行動する人物である。
その性格が雰囲気にまで出ていて、彼女は世界のどんな場所にいても、誰と話をしても元気で気さくな印象を抱かせていた。

「なんだよ」
そう言いながら顔を背けるピンク髪の少年、小カトー・滝川。この時パイロット見習い。
その顔をどうにかして見ようと階段を降りて回り込みながら、口を開くエノラ。
「んー、かわいくないなぁ。ほら、タッキー」
「悪かったな。そりゃかわいくねえよ俺は」
 さらに顔を背け、最後は体の向きまで変えて背を向ける小カトー。

 その様を見て唇に指を寄せて考えるエノラ。
地球大統領だったおじいちゃんも大昔はいじけていて、おばあちゃんも昔はこうしてたのかなあと考える。
 そう考えると、ちょっと嬉しい気がした。一度もあったことのないおばあちゃんに、親近感を感じたのだった。

「何笑ってるんだよ」
 エノラがくすくす笑ったので、頬を膨らませて口を開く小カトー。眠そうな顔に続いて、ご先祖に良く似る表情であった。

小カトーに顔を近づけるエノラ。距離10cm。
「んー。確かにかわいくないかも」
「いいからほっといてくれよ。いじけてるんだから」
「そんなにホープおじさんやチビ舞踏子についていけないのが悲しかった?」
「希望の戦士って言えば俺達には特別な存在なんだよ。あーもう、だからいじけるぐらいさせろよ」

 エノラは動き易い半袖半ズボンのサファリスーツ姿である。
腰の当たりに手を当てて、にっこり笑った。
「嫌」
「なんで?」
 不当そうな小カトーに勝ち誇った表情のエノラ。

「だって私、いじけてるタッキー嫌いだもん」
 そう言われて、顔を真っ赤にする小カトー。

「普段だって嫌いなくせに」
「あら、そんなことないわよ。お兄ちゃんと一緒にあの人が降りちゃった今、タッキーは数少ない喧嘩友達なんだから」
 頬をつつかれる小カトー。

 小カトーは、あからさまに好意を示されると、弱い。
この時も、いじけるのを半分くらいやめて、エノラに向き直った。
勝ち誇った表情で腰に手を当てて胸を張るエノラ。優しく口を開いた。

「しょうがないわねっ。私がどうにかしてあげる」
「どうにかって」
「映像ぐらいは見せてあげるわよ。MAKI」
「了解しました」

肩を落とす小カトー。あのな、それぐらい俺でも出来るって。と思ったが、エノラがあまりに得意気なので、それで文句言うのを、やめた。

小カトーは本当に、好意に弱いのであった。それで将来、撃たれて死んでしまうほどに。

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