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zoom RSS NOTボーナス ガンパレードオーケストラ白の章(28)

<<   作成日時 : 2006/02/19 12:31   >>

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 この頃、谷口と航は、反省している。心の中では正座である。どこぞの戦車長なら腕を組んでうなだれているところだ。

二人の心の弁をあえて書くならばこうなる。

航は、親友の太股に欲情してしまった。僕は親友として最低だ。
であり、
谷口は、隊長(しかも精神的に幼い)に欲情してしまった。部下として、否、年長者として俺は、俺はぁ。
である。特に谷口は自分は隊長から無邪気に信頼されているという自覚もあったから、きりきり胃が痛むほど憔悴しており1mmでも悪魔?のような隊長から離れて理性のほうに、逃走しようとしていた。後何分だか抱きつかれていたら、抱きしめ返しそうになる自分が怖い。

 なお、横山は恥ずかしさのあまりもう反省どころではなく思考は遠くブラジルあたりまでぶっ飛んでおり、咲良は初めて経験する言い知れぬ気分の悪さで思考停止している。

元気なのは、空先生だけであった。
扇子があればにこやかに笑って、いやー。若いっていいよねぇと自らを扇いでいただろう。
この点、外面だけ見ると岩崎にも似ているが、この人物の場合心の底からそう思って振舞える点が異なる。

結果、現実では空先生の笑い声だけが、廊下に響くことになった。

 それと足音。

怪獣のような足音を立てて、顔をしかめるどころか真っ赤にした鈴木真央が歩いてくる。
「空!」

「鈴木さん?」
 航が驚く。佐藤もいる。
横山が恥をさらさないように、抱き上げてこの場を去る谷口。
咲良がそれを発作的に追いかけようとして、笑顔の空に止められた。
そんななにがしを無視して、空をにらむ鈴木。空は背がそれなりにあるので上目がちである。

にこやかに笑う空。
「どうした? 鈴木」
指を突き出す鈴木真央。
「騙したわね」
「俺は誰も騙さない」
「嘘、嘘!」
 珍しく取り乱す鈴木を後ろから羽交い絞めにしながら佐藤が冷たい目で空をにらんでいる。
全然関係ない航が、我に返って声をあげた。

「兄さん鈴木さんに何を!」
「何もしていない。単に佐藤まじえて茶を飲んでただけだ」
 どこか面白そうな空先生をさらに指差す鈴木。

「私の空間知覚を狂わせたわね!」
「してないしてない。ただまあ、俺の上にあるものが大きいんでそれですこしばかりセンサーはおかしくなるかもなぁ」

 言うに事欠いて顔をさらに真っ赤にする鈴木。
「こ、このひねくれ性悪男、コンピューターの敵、大バグ!」
「あんまり足をばたばたさせて怒ってるとスカートがめくれるぞ」

 足の動きがとまった。1秒後に再起動して口を開く鈴木。

「いったいなんでこんなに沢山の世界外存在をつれてきてるのよ!」
「決まっている」

 空先生は、口だけは飄々と言った。咲良が、空先生を見上げる。はじめてみる先生の表情。

「娘のためだ。知らんのか。俺は娘のためになら誰をも敵に回す。例外はない」
「そんなことをしても意味はない!」
「そうかも知れんな。だが、だからどうしたというのだ」

 空は何もかもを鼻で笑って見せた。
「俺とお前達とでは行動原理が違うのだ。お前が世界を守るなら、俺は俺の娘を守る。七つの世界を探しても、この子の父は俺だけだ。生まれた瞬間から嫁ぐまで、この子に影さすものは全部俺の敵だ。意味があろうとなかろうと、そんなものは俺は知らん」

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