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zoom RSS NOTボーナス 式神の城3 前伝1

<<   作成日時 : 2006/02/01 16:57   >>

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 その死刑囚は、大昔、翠色の髪の伝説の傍にいた。

あの頃の何もかも今は捨ててしまったが、今も一枚のハッピだけは捨てきれずに、独房の壁に張ってある。

顔を上げてハッピを見上げれば、思うのだ。
自分はなんと遠いところに、やってきたのだろうと。

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 大昔、伝説があった。
全ての悪党が恐れる、そんな翠色の髪の伝説だ。

それが出てきた時が、悪の終わり。
どれだけ周囲に被害が出ても、火山が爆発してスペースコロニーが落ちて恐竜が逃げだして惑星直列して恐怖の大王が出てきてメイデア戦闘機2がレーザー水爆を撃ちまくっても、結論だけは同じ。

レイカは悪党を逮捕する。
それが出てきたことは世界を支配するコンピュータが、断固たる膺懲の一撃を放ったことを意味する。
たとえそれで世界が滅亡して銀河連邦が崩壊しても、守らなければならない一線を、正義を守らなければならないならば、コンピューターは決まって歴史保安警察1440万7千2百知類の捜査官の中から、いつもただ一人を、あの翠色の髪の伝説を選んで派遣した。

レイカちゃん。

 全ての悪党が彼女に恋した。
悪党だからこそ、その輝きに魂を奪われた。その脚、その髪、その眼差しに恋をした。
多くの悪党が彼女に命を奪われることを希望した。誰もがそれこそを強く願った。
大悪党が打ち立てた悪の伝説の最後にこそ相応しい女。翠色の髪の伝説。
悪党の太陽こそが、レイカだった。

 レイカちゃんを殺そうとする本物のド外道を倒すために、多くの悪の秘密結社が表と裏から手を回した。悪党に残る最後の救いを、失うわけにはいかない。

死刑囚も、その一人だった。
それで足がついて、逮捕され、そこから20年。そろそろ刑が執行されそうな気分である。

 死刑囚は笑った。

自分がそれまでやったことは間違いだったかも知れないが、最後にやったことだけは、正真正銘、正しかったと、そう思った。

 彼女と戦ったのは三度。いい思い出だ。いずれにも逮捕された。三度目は公園で世間話をした後だった。出来れば後一度だけ、後一度だけ戦ってみたかった。

 立ち上がり、独房の壁に、いつかレイカちゃんが訪れたその時のために悪党がやりそうな事を書き連ね、書き始める。ヒントとなるように。20年の間に全ての壁が覆いつくされたが、まだ死刑囚はその手を休めない。

実際レイカちゃんがこれを目にするその確率が、超新星爆発が身近で起きることと同じくらいなのは死刑囚でも分っていた。
だが思うのだ。そんな万が一が起きて、そしてレイカちゃんが危機にあったなら。

あったなら。俺が助けるのだ。

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