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zoom RSS 絢爛舞踏祭 in 青森

<<   作成日時 : 2006/01/31 00:40   >>

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 舞踏子は、こっちの青森は寒いと思っていた。
白い息が出る。雪、多すぎ。

 隣を歩くヤガミとしてはそんな感覚もなさそうで、いつもの通りである。白い息も、出ていなかった。
 少し考えて見上げるように隣の顔をのぞき込み、口を開く舞踏子。
「ヤガミ、雪珍しくない?」
 面白く無さそうに目をそらすヤガミ。そのまま、口を開く。
「こんなものは、イスメニウスの公園にもある」
「居住区では降雪させないでしょ」
 そう言われて、不機嫌になるヤガミ。
「当たり前だ、くだらない」
 雪の量で負けているのが悔しいんだなと思って笑う舞踏子。まったく子供っぽいんだから。それでさらに不機嫌になるヤガミ。
以前ならひるむか傷つくかの舞踏子。だが大絢爛舞踏祭で付き合い方が分かるようになったのか、余裕の笑顔を浮べる。
白い息を吐く。ヤガミの前に出て背伸びする。

「それにしても、好きっていいよね」
「なにが」
 ふーとヤガミに息を吹きかける舞踏子。以前とは、立場逆転、ヤガミをこんなにひるませるなんて、弱い義体最高と思う。考えて、口を開く。

「あの子、谷口と石田っていったっけ。なんか、昔の私達みたいだね」
「俺はあんなに取り乱したりはしない」
「そうね。すねるもんね」

 そっぽを向くヤガミ。それで舞踏子にぶつかりそうになって、ヤガミはとっさに舞踏子の体を支える。面倒だと抱き抱えて歩きそうになったが、周囲の目が気になって、やめた。

 その動きを未来予知して根性なしーと唇を突き出す舞踏子。
不満そうに見返すヤガミ。
「違う」
「なにが?」
「抱き抱えたらお前はキスをした」

 笑う舞踏子。
「あ、そこまで未来予知したんだ」
眼鏡を指で押すヤガミ。
「俺もパイロットだ」
「そうね。私もだけど」
 同意した後、目を細めて考える舞踏子。んー。
不意に下を向いて、表情をぐしゃぐしゃに崩して顔をあげて口を開く。
「やっぱりあの子、助けてやれないのかな」
眼鏡を指で押すヤガミ。そっぽを向こうとして、向けなかった。舞踏子の髪をさわる。
「お前にそう見えるのなら、無理だ。お前の予知能力が、一番高い」

泣きながら口を開く舞踏子。
「でも、あの子好いてるじゃない。一生懸命人を好いているじゃない……」
「知っている。だから希望の戦士を連れてきたんだ」

 ヤガミは舞踏子にキスした後で、舞踏子の表情の中の違和感に、不意に目を細めた。

「これも予知していたな?」
 舌を見せて横を向く舞踏子。
「ごちそうさま」
 見る見る顔が赤くなるヤガミ。
「お前……」
「だってそうしないと優しくしてくれないじゃない!」
「そういうことをするから警戒しているんだ!」

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