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zoom RSS 4日目・朝 式神の城ルート Cコース

<<   作成日時 : 2005/12/07 11:35   >>

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 LDという映像表示システムがある。
DVD以前の、古い古い、システムだ。

大きな七色の円盤を回して、映像を見るシステムである。

 その日、世界のタイトーの依頼を受けて、日本の端、ここから先は海しかないその場所で、一人の男がLDと奇妙な関連を、持つことになる。

 男の名前を須田直樹と言う。人は彼を出張鳥と呼ぶ。
文字通り七つの世界を渡り歩き、いくつものいくつものマスターアップの夜を越えてきた、年季の入った伝説の中の男である。その髪が銀なのは夜が暗くても良く見えるようにするためだと、称された。

タイトーの担当者も、いくつもの夜を越えていた。彼は日本の端までやってきて、銀色の髪を揺らして、そうして一つの心残りを口にした。
「レイカをだしてやって欲しいんです」

 須田は目をしばたかせた。遠い時間の彼方の記憶にそれはあった。
「はあ、レイカちゃんですか。……緑髪の」
「ええ、そのレイカです。ぜひ、お願いします」
「なぜでしょう」
LDゲーム、そうLDゲームだ。須田は理由を尋ねながら思い出す。
緑髪をしたゲームセンターのアイドル。何もかもが今は遠い、大昔の話だ。

 タイトーの担当者は静かに言った。
「彼女の顔を、もう一度見たいでは、駄目でしょうか」

須田は長く考えた後で、口を開いた。
「稼動する彼女は、世の中にはもうほとんどないはずです」
「わが社にもありません。ですが、逢いたいのです。あの緑色の髪の伝説に」

須田は出張願いの文面を練り始めた。どこかの温泉地なら、あるいは。
須田の代わりに、その場にいて口を開いたのは佐々木哲哉である。
彼は周囲を驚かせることを言った。
「よろしい。では引き受けましょう。この会社が受け切れなかった案件は、海に落ちる。海に落ちるのを阻止しましょう」
佐々木哲哉には成算があった。PCエンジンに移植されたこともあるはずだ。なら俺の家にあるはず。

明けた翌日、須田は目的地不明のまま出張に出た。
明けた翌日、佐々木は長いこと開かずの間であった家の書斎を開けた。

式神の城の、再開である。

                               <リターントゥ式神の城3 第1章第1節>

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