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zoom RSS 13日目・胎動

<<   作成日時 : 2005/12/16 02:19   >>

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一方そのころ。

 遠く、パイプオルガンの音が聞こえる。
TYは目をつぶり、その音楽に、聞き入っている。

目の前で立ち止まる音。敬礼するかすかな音。口を開く音。
「RSからの反応、途絶えました」
「夜明けの船が、まだ生きているということか?」

 TYは目をつぶったまま薄く笑った。これだから旧体制はしまらない。

「まさか、折れた船体が沈んでいることを確認しています」
 TYは表情を消して目を開くと、続いて口を開いた。
「まだ一部が生きているのかも知れん……RBを出せ。数は1万。全機核装備」

そしてひるむ部下に言い添えた。

「場合によっては火星を火の海にしても構わん」

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 一方その頃。

 黒い聖女ブラックレイディこと謡子は、基地の自室からハンガーまでの500mの道の間に人知れずその名を遥か遠くに投げ捨てると、二人の父から与えられた本来の名前に舞い戻った。それは、不幸な彼女の、たった一つの誇りであった。

 ずっとその時を、まっていたのだ。この時を。大絢爛舞踏祭がはじまるのを。

金属の床をヒールが叩いていく。

巨大なドーム状のハンガーに出る。
 浅黒い肌に純白のスーツを身につけ、ハンガーに眠る彼女の守り刀を見上げる。
漆黒の美しいRBだった。七つの武器を収めたロングスカートが、ドレスのように見える。

”太陽号”

 生前の暁ゆかりのものであった雷鳥号と対になる機体である。
確かに色とスカートを除けば、二つは良く似ていた。

不審な格好のBLに不審な顔をする兵士達が、近寄って来る。

「BL様?」
「違います」

 黒い聖女はにっこり笑い、兵士4人を叩きのめしてリボンの形をしたRBキーでその柔らかく波打つ長い髪をきりりと結わえた。

「私は陽子よ。その名は豪華絢爛なの」

キッと太陽号をにらみつける。
 口を開いた。

「何をしているの? 自分で動きなさい。 貴方は、私の誇りを守るために生まれたのでしょう?」

 停止したエンジンが自動起動を開始した。
無人のコクピット内のディスプレイに黄金に踊る文字が打刻される。

一つしかない瞳が輝く。

「いい子」

 陽子が右手を伸ばして拳を握る。
背後の巨大な太陽号が、それを反復する。

「は、反乱だ!」
 騒ぎに駆けつけた兵士達の叫びを無視し、太陽号は己を戒めるケーブルと安定具を引きちぎり、ハンガーに並ぶRBに120mm砲弾を次々と投弾して周囲を炎上させ、破壊活動を行うと陽子をその胸に抱いて堂々とセプテントリオン基地を脱出した。

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