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zoom RSS 4日目・夜明け 精霊軌導弾ルート Fコース

<<   作成日時 : 2005/12/07 02:30   >>

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 青空の下に広がる緑は、今は文明の跡を覆い隠して、風に揺れるだけ。
時の流れは雲が落とす影の動きのみ。それと、最近良く見ることになった。青い光の雪。
握り締めた手を広げれば、手のひらのなかの文字が、羽ばたいてはこぼれていく。

 金城美姫は髪をきつく戒める紐を解いて風に解き放ち、頭を振った後、目を伏せた。

 目を閉じれば、足音が聞こえる。金城美姫は、先内の言う通りだと思った。目を瞑れば、分ることもある。

それは源の優しさだった。

「遠くまで来ちゃったね。私たち」
その言葉に反応して鳴いたのは、源の背後に控えて音もなく歩いてきた動物兵器”雷電”……グリンガムだった。
6mを超える体を揺らし、大きな目で美姫の顔を覗き込んだ後美姫の頬に額をおしつけてゴロゴロ喉を鳴らす。こわいヒゲが、いまは気持ちよかった。

「英吏は、なんて言ってる?」

 源健児は、らしくねえぞと背中を叩こうとして、失敗した。
その背がとても小さく見えたからだった。だからグリンガムの横腹をなでて、それだけだった。

源健児は口を開いた。
「後1時間まって、その後出る」
「半分くらい、生き残っているかな」
「英吏が戻って来てからは悪くなかった。結構生き残っているはずだ」
 皮肉な話だ。あの悪党が今一番人と相棒を助けている。
源健児はそう考え、金城のストッキングが破れていることに気づいて目を逸らした。

そして何もいえない自分に腹を立てた。

 美姫はグリンガムを背に腕を組んだ。グリンガムはあくびする。近くに人が居なければごろんちょして自分の尻尾を追いかけたりしていたろう。
「新しい隊長は、どうなるの? 英吏が?」

 源は少しウェーブのかかった長い髪を正視できなかった。
ウォードレスぐらい着てほしいと、理不尽に思う。
「いや、奴は辞退した、かわりに推挙したのはなんだっけ、一昨日やってきたやつ」
「善行。善行忠孝。戦争の英雄よ。従卒だか知らないけど、小さい子を連れた人でしょ」
「ああ、そいつだ。英吏にしてはらしくねえ判断だ。また企んでるんじゃねえか」

 風が髪を揺らすので、美姫は髪をかきあげる。そして、何故だか源は、いつにも増して自分を避けていると思った。それを無視して、口を開く。

「それはないよ。ゲン。英吏は悪党だけど、大悪党だから、そういうけちなことはしない。やるなら善行を暗殺して彼からそうね、遺言を託されたくらいのことは言うわ」
「いや、それくらいは分かっている」
「じゃあ、なんで言うの? 英吏だって”隊の兄弟”よ」

 愚にもつかないことを口走るくらい、美姫が可愛らしく見えたからだとは、源は言えなかった。
言っても意味が通じるとは思えないし、通じたら、通じた場合のことを、不良ではあるが未熟な少年には違いない源では想像も出来なかった。

 源が出来たのは分かってると、そう答えることだけである。

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