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zoom RSS 12日目 男子の本懐特別版

<<   作成日時 : 2005/12/15 15:43   >>

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 熊本城内を必死に走る萌の足が、唐突にとまった。

背の高い黒服の男が一人、音もなく立っていた。

 汗で前髪をはりつかせた萌が顔をあげる。
男が銃を抜く。なんの警告もなく発砲、そして八発の銃弾が、居合いの一撃で両断される。

「妹人……くん」
「いけ。そして、ここはまかせて」

大木妹人は、優しく言った。
裏マーケットから仕入れた”名剣十賽”を緩やかに引き戻し、詰襟の上着を脱ぎ捨ててPerfect Wayのトレーナー姿で深く呼吸、意識を集中させる。

 対峙する。

黒服のノッポは言った。
「……サムライか。なんでお前がこっちなんかに来てんだよ」
「知恵者の助言さ。退け、お前たちの野望の何一つ、好きにはさせない。さもなくば……」

「さもなくば?」
「お前の尻は四つに割れる」

 笑うノッポ。指を鳴らす。見たこともないウォードレスの部隊が現れる。
「そうか、じゃあやってみろ。俺だって、お前をぶっ殺してガンスの仇をとってやろうって思ってたんだ!」

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 萌は、肩で息をしながら、絶句した。大破して横倒しになった士魂号が、眼前に広がっている。

 吐きそうになりながら背面のコクピットに廻る。操縦席からハッチにいたるまでの大量の血。でも死体はない。

 泣きそうになりながら、正確には我慢できず泣きながら、萌は血の跡をたどって走った。

わっしょいわっしょい。

 考えが凍てついている萌には意味が分からない声。

萌は遠い砲撃で震えている木陰から顔を出す。

 男達が腰に見覚えのある、そう瀧川のスカーフだ……、を巻いた翠色の髪の女の子を胴上げしている。

落ちる救急かばん。

胴上げに参加していた瀧川が振り向いて、目があった。
「おお!」
いいところに来たと瀧川が言い終わる前に、救急かばんから包帯や注射器や胃薬や絆創膏が投げつけられる。
「ちょ、ちょっと!」

口に手を当てて走っていく萌。
呆然とする瀧川の肩を抱いて、タカツキは胴上げにまた誘った。

/*/

 喧騒から離れて一人、PLは仰向けに倒れたまま、ばらばらになろうとしている。
足音が、近づいてくる。

彼女が待ち望んだ。男の足音だった。
PLは視線だけを動かし、笑ってみせる。

「遅かったじゃないか……ぼうやにとどめをさされるつもりだったのに……」
 大木妹人はズボンとパンツの切れ端だけがついた剣を捨て、PLの横に跪いた。
優しく抱き上げ、微笑んでみせる。

「貴方は死なない。もう運命は、変わり始めている」
 PL目に涙が浮かんだ。
「変わりたくない……ぼうやの敵は、私なのよ。誰にも渡したくはない」
「もっと別の関係もある」
「他でかなう訳ないじゃない……他の女になんか」

 大木妹人は何も答えず、ただ微笑んだだけだった。

「また逢おう。PL」
大切な言葉を言おうとして、情報分解するPL。
 大木妹人は最後に消える光をつかもうとして、それが叶わないことを知ると一人立ち上がった。

彼にはまだ、やるべきことがあった。

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