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zoom RSS 10日目・深夜 レムーリアルート2 Hコース

<<   作成日時 : 2005/12/13 02:47   >>

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「そろそろ忘れられた島ですよ」
 エプロンつけた奈穂が、顔を出した。ちなみに今回、料理係である。
狼子に習って、ずいぶん上達した。心なしか足取り軽く、良狼に何か言われたことを思わせる。

「やれやれ、やっと出番か」
 よれよれの煙草を引き伸ばし、火をつける青森恭兵。無精ひげは相変わらずで、渋い顔をしている。海にはいい思い出があまりない。ベトナムの空を思い出すから。
傍らを見れば、紅茶を静かに飲む熊本武士がいる。

「そろそろあがりだとさ」
「聞こえている」

 万能ねえや田辺さんに一財産するカップを渡し、金髪で鋭利な半ズボン11歳の熊本武士はゆっくり立ち上がった。

歩き出す。

「ついて来い。青森」
「へいへい」

 まんざらでもなく、武士の後ろをついていく青森。万能ねえやの田辺さんは懐から魔法のように灰皿を差し出し、にっこり青森に微笑んで見せた。顔が崩れる青森。こりゃどうも。


 忘れられた島に先についている軍艦は灰色で、全部鉄だった。
奈穂は目を細め、船体に書かれた文字を良狼に読んでみせる。

「”こなゆき”だって。粉雪。雪だよ。良狼さん」
「雅な名前だ。お前の日本なのか」
 奈穂、頬を赤らめる良狼の腕に手をからませる。あやめを見る。
あやめ、ムッ。とする。
「たぶん。あんまり自信ないけど」

舷側には制服姿の男達が一列に並んでいる。今、一斉に敬礼した。
はてみ丸の舷側にも海賊達が並ぶ。一斉に敬礼。

 アバンギャルドな礼服に着替えた赤鮭、敬礼しながら副官と顔を和ませる。
「制服姿の男が一杯だ」
「いいですねー」
「食い放題だよなあ」

 二人、癒される。赤ん坊を抱いて、黙って二人を蹴っ飛ばす青カモメ。

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 一方その頃。
 粉雪の艦上、所管長である木立英世中佐と砲術長の加納正顕少佐も顔を和ませていた。
「おい、俺たちはまるで山中峯太郎の小説の中に居るみたいじゃないか」
「まったくです」

木立英世中佐はとっておきの煙草をくわえた。旭日。恩寵品だ。加納少佐が防水マッチで火をつけてやる。 顔を近づけ、顔をあげる。満足したように煙を吐く。

「我が皇国も結構余裕があるのかもな」
 口から気休めだったが、加納少佐は笑ってうなずいた。中佐は赤鮭と目が合う。相手はどう見ても白人種だった。ここでこんなことができるのなら、いつか目の青い奴とも、本当にいつかは分かり合える気がする。
「ここに来たかいがあるような気がするよ」

 木立中佐は、所管長のデスクの中にほうりこんでいた、鈴のついた小さな絵馬を取り出し、青カモメに百点満点の敬礼をして投げてよこした。

「そこの赤ん坊に、いやさかの栄えを!」

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 青カモメは器用に絵馬を受け取った。小さいがかわいい、絵馬だった。
「馬だ、ほら、お前と同じ白馬だよ」
 青カモメは赤ん坊に向かって言う。赤ん坊の名を。白馬という。

赤鮭は副官に命じると酒四樽と南国の果物を山ほど返礼として送りつけることを命じる。
続いて奈穂を向いて通訳を頼み、軽く羽飾りのついた帽子をとり、大げさに礼をして口を開いた。

「俺は海賊だ。取引はしても贈り物はいらん。だがこれはいい、取引だった」

そして笑って言った。

「貴艦に神の思し召しを。一際多く!」


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