3日目・昼 ガンパレード・マーチルート Eコース

中村はその顔を緑の光に照らされている。
暗幕を頭からかぶり、野戦情報器の表示に、目を光らせていた。

「瀧川機、撃墜されました」
「搭乗員は?」
「死亡確実」

中村が暗幕の中でじっと待つ3秒。
善行は少なくとも冷静に口を開いた。

「零四を出せ。瀧川機の穴を埋める」
「これ以上城の南から戦力を引き抜くと……」
「仕方ないでしょう。北が突破されても、我々はお仕舞です」
「分りました」

中村は目をつぶって暗幕を払いのけると、無線機に取り付く。
目を瞑ったままコール。目が光に慣れると、また野戦情報器に取り付いたときに、厄介なことになる。

「青、青。聞こえるか。北側に廻れ。弾薬は整備長が用意している」

そして送話器を握り締めた。

「ついででいい。仇をとってくれ。俺のお願いだ」

 善行は二人の若宮と来須にうなずいてみせる。
戦車が抜けたその穴を、誰かが埋めなければならない。

 若宮が言った。

「いつでもいけます」

同じ顔の宮石が言った。
「ご命令を」

善行は立ち上がる。
69式突撃銃を渡され、うなずいた。

「中村くん、現時点をもって君の任を解く。野戦情報器を破壊後、残りの時間を好きにせよ」

中村は目を開いた。光に顔をしかめながら、口も開いた。
「その中には隊長と戦って戦死するって奴は含まれていますか」

善行は笑った。

「貴方の忠誠を、僕は受けます」

中村は笑ってうなずいた。
 中村は太っているためウォードレスを着れない。だから、銃だけを受け取った。

「最後の命令だ。本部へ通信。八島にいやさかの栄えあれ」
そして善行は青い目の来須を一瞥した後、言葉を続けた。
「この地で倒れた兵を思わば、後世、ともに最後まで戦った外国兵に特別な配慮を伏して願うと」