9日目・朝 絢爛舞踏祭による式神2 Aコース
RSにとってはそれすらも囮だった。
一個大隊48機のRBが破壊されるのを鼻で笑いながら、黒衣をはためかせて艀の上を歩いている。
横たえられた少年の横に跪き、その身を抱いた。
「コウ……」
抱きしめる。酷く沈痛な表情。
シン兄を亡くした今となっては、月子とお前だけが、僕の全てだ。
なのに何故だ。何故そうまでして僕の敵をする。
もう帰ることは出来ないのか。昔へ……
表情が、消える。
コウの背に廻ったその手に、細い小柄が握られた。
「そこまでよ。セプテントリオン」
「ニーギ・ゴージャスブルー」
RSはニーギを見た。相変わらず、発育のない娘だ。
だがその髪の輝きは豪華絢爛、振れば光が見えるよう。
RSは笑った。そういえば昔、決着をつけそこねていた。
「なにがそこまでだ?」
「そっちで政変が起きたのは知っている。新しい動きがあることも」
RSは優しく言った。
「そうだな。そして決まった」
コウの背に深々と細い小柄が突き刺される。目を開き、口を開いたコウを抱きしめ、RSはそして地面に転がした。物のように。
血の染みが広がり始める。
「お前たちを消去する」
RSは黒い聖銃を引き抜いた。
一個大隊48機のRBが破壊されるのを鼻で笑いながら、黒衣をはためかせて艀の上を歩いている。
横たえられた少年の横に跪き、その身を抱いた。
「コウ……」
抱きしめる。酷く沈痛な表情。
シン兄を亡くした今となっては、月子とお前だけが、僕の全てだ。
なのに何故だ。何故そうまでして僕の敵をする。
もう帰ることは出来ないのか。昔へ……
表情が、消える。
コウの背に廻ったその手に、細い小柄が握られた。
「そこまでよ。セプテントリオン」
「ニーギ・ゴージャスブルー」
RSはニーギを見た。相変わらず、発育のない娘だ。
だがその髪の輝きは豪華絢爛、振れば光が見えるよう。
RSは笑った。そういえば昔、決着をつけそこねていた。
「なにがそこまでだ?」
「そっちで政変が起きたのは知っている。新しい動きがあることも」
RSは優しく言った。
「そうだな。そして決まった」
コウの背に深々と細い小柄が突き刺される。目を開き、口を開いたコウを抱きしめ、RSはそして地面に転がした。物のように。
血の染みが広がり始める。
「お前たちを消去する」
RSは黒い聖銃を引き抜いた。