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zoom RSS 瀧川救出作戦(前編) GPM、式神の城、世界の謎、水素の心臓合同ルート 

<<   作成日時 : 2005/12/12 12:34   >>

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 目を細めたレイカは、時の彼方にある不連続を発見した。
今は携帯電話型になっているブラスターにデータ入力。

「レイカちゃん、行きます!」

時間犯罪的台詞を吐いて髪を輝かせる。
 その言葉にただならぬものを感じたか、白い大きな犬の日向がむっくり起き上がってレイカの尻を噛んだ。正確には尻を包む薄布を噛んだ。

髪の毛が逆立つレイカちゃん。

時間跳躍。

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1999年4月22日。熊本県熊本市 熊本城

 爆発、爆発。
砲弾が飛び交い、石垣が無残に吹き飛び、あるいは木々に生々しい弾痕が出来る。
命が特売され、誰も彼が笑いながら銃を撃っていた。

「へへ、こりゃ立派な愛国者になれそうだな」
 瀧川陽平、もっともテストの時は略字で滝川陽平と書くことが多い……は、士魂号を操りながら笑って言った。

装甲に弾が当たる音。酷い衝撃、いつかはあれが貫通して自分を殺すと瀧川は分っていたが、悲しげに笑うのは性に合わない。笑って死にたい。少なくとも恥ずべき戦いはしていない。誰かの為に戦うのだ。

また弾にあたった。衝撃で鼻血が出る。笑いは止まらない。裏マーケットの親父から買い叩いた航空時計のついた右手で鼻血をぬぐう。
撃って撃って打ち返す。心残りは新井木のこと、萌のこと。
青の厚志と舞のことは、まったく気にしなかった。あいつらが死ぬ前に俺が死んでらあ。

 士魂号軽装甲型は92mmQFライフルを至近で射撃してミノタウロスの上半身を吹き飛ばし、足元に群がるゴブリンを蹴っ飛ばす。

 視線をあげれば目の前には北部から侵入したミノタウロスがざっと40。

瀧川は少しだけ笑いをおさめた後、己の幸運が級友達に移ることを願った。

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 遠くに戦争音楽が聞こえる。ガンパレード・オーケストラと言う奴だ。

それはそれとして、それとはいささか関係なく、今ここに、血だるまになって痙攣している白い大きな犬がいる。
四本脚なので仕方なく、おいまてのつもりで尻を噛んだ日向玄乃丈であった。
話を聞けと、言いたかったが、失血酷く、そのまま意識を失ったのである。乙女の尻を噛んではいけないという教訓であろう。

 次元接続リングが開いて続々と見慣れぬ格好の兵士が現れる。誰も、手には武器を持っていない代わりに体格がいい。いや、そうでないのもいた。少年少女だ。

日向見かけて駆け寄って、血の汚れをかまわず二人で助け起こそうとする。
ウラル・カナンとノイ・アルトである。

戦争音楽。少し違う音。たぶんブラスター。

「他にも援軍がいそうだな」

「そうなの?」
 ノイ・アルトが振り向いた。
うなずく軍服姿の男、タカツキ。
「間違いない」
「タカツキはなんでも知っているなあ」
自分をまぶしそうに見る少年時代のままの姿の少年少女を見て、タカツキは少しだけ微笑むと、背後に控えた20体ほどの人戦車に片手をあげて指示をした。

 人戦車団が次々と変容していく。巨大な化け物たち。

「二人はこの場で、その犬を守ってやる、いいな。それが任務だ。俺はちょっと、任務を果たしてくる。……傭兵だからな」
 この二人には修羅場を見せたくない、正確にはそこに加担している自分を見せたくない、タカツキである。

「軍曹、お前は護衛だ」
 うなずく人戦車の一体。残りは全員が、王と仰ぐタカツキに従って歩き出した。
小さく手を振るノイに、笑ってみせるタカツキ。ウラル・カナンには舌を出して見せて、その後で笑った。

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 また被弾、また被弾。腕が吹っ飛んだ。瀧川は意地でも笑いを払いつかせたまま、戦っている。

 見慣れない小型幻獣。なんだあいつは、偉く強いじゃねえか。へっ。
だがいい気になるなよ。

お前らなんか。お前らなんかなあ

 瀧川は思いを口にした。
「青が来さえすりゃ全滅なんだよ! そこまで時間かせげれば俺の勝ちだ!」

見慣れない小型幻獣が右手をあげる。まるで銃のよう。光をあげ、発射。

 瀧川の視界が白くなった。

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 目が見えなくなったときに感じたのは、さわやかな風だった。
いつか未来に見るであろう。そんな風だ。

次に視察クラッペから見えたのは、緑の草原。

否。一度見れば二度と忘れることのない、綺麗な緑髪の髪だった。

 大出力ブラスターNPダブルオー。歴史を変える銃を撃つ銃。

士魂号の盛り上がった胸部に陣取り、その乙女は、ブラスター一発撃って相手のブラスターの弾道をねじまげた。

 瀧川が鼻血を吹いた。


小型幻獣。いや腕に銃を持った。女。麦わら帽子で黒いドレスの女が、口を開いた。

「お前は……」

大昔に見た風景。 自分が駆け出しだった頃、あらゆる悪が恐れた伝説の女がいた。
どんな犯罪者よりもどデカイ被害を撒き散らす、伝説の時間捜査官。

「お前は……」

彼女と逢うことは、伝説の中に紛れ込んだことを意味する。
そこにあるのは相対的正義と相対的悪ではない。絶対の正義と絶対の悪、ただそれのみ。
どれだけ周囲に被害が出ようと、断固として振るわれるために存在する正義の剣。

「お前はタイームガール!」
 PLは叫んだ。

「そうよ」
 レイカは言った。

 レイカちゃんは尻を押さえて士魂号から飛び降りた。
慎重にカメラを気にしつつ両手でブラスターを構えて言った。

「どんな命にだって誇りはあるのよ。銃を捨てなさい、時間犯罪組織セプテントリオン」

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