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zoom RSS 一日目・夜 コースC(式神コース)

<<   作成日時 : 2005/12/05 03:03   >>

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 鉄哲二は豊穣の海となった火星の海をカールとともに見つめると、気を取り直して白い帽子をかぶった。

カールは涙を拭き、年をとると涙が出ていけないと言った。
鉄哲二はその背を叩き、火星独立軍と、沈んでいった仲間達にと言って、銀ビールを飲み干した。

黙って缶を握りつぶし、走りよってくるBALLSに渡す。回るBALLS。

「だいたい、ドランジ、お前そんな年でもないだろう」
「もう30だ」
「そりゃ俺に対する嫌味か」

鉄は笑った。

カールはその笑いを見つめた後、しばらく考えて、口を開いた。
集光レンズの守備範囲から太陽が離れたと見え、にわかに空が茜色に染まり始める。

「何の、用だろう。旧交を懐かしむためだけでは、ないだろうが」

鉄はごつい頬をかき、付き合い長いから分かるよなと言って、手を振った。

遠くに目を凝らすドランジ。運ばれてくる箱。魚などを輸送するコンテナ。
目が開くドランジ。
「誰だ。まさか……マイト……くんなのか」

 鉄は帽子を被りなおす。コンテナに横たわるのは人知類だった。コンテナに張った透明な液体の底に沈められている。
「残念だが外れだ。だがまあ、面白い一致だろう。この黒い服は、珍しい」

寄ってきた少年は、学生服を着ていた。胸にはトレーナー。古い米語が書いてあったが、カールには、よく読めなかった。

 食い入るように見つめるカールをどこか満足げに見つめ、鉄は煙草を吸い始める。

目線を動かさず、口を開くカール。
「生きているのか」
うなずく鉄。
「代謝をかなり落としてある。いや、見つかった時点でそうだった。俺が買い取ったときは、無茶のせいで死にかけだった。まだ回復法は分かってない。MAKIでもいれば、あるいはと思うが」
「名前は」
「サヨというらしい」

すぐに夜になる。鉄は長い影を落としながら、急いで用件を話すことにする。
「ドランジ、お前こいつを預かってくれんか」


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