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zoom RSS NOTボーナス (1) Aの魔法陣Ver3

<<   作成日時 : 2005/12/26 00:29   >>

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 いじわるめがね。
というのが、その少年のニックネームである。

 成績は最低、遅刻も、良くする。運動は可能な限りやらないようにしているように見える。
 趣味は昼寝。部活動はなし。


 目元が涼しい、眼鏡くんか。
そう感想を心の中で付け加えて、新人女体育教師 御崎美空は席を立った。
ファイルを閉じる。歩き始める。

 小学校というのは特殊な空間だ。社会で言えば壮絶駄目人間である”いじわるめがね”君だが、生徒からの人気は高いらしい。クラス女子の人気も高いと、御崎は女子の一人から秘密の告白を受けている。

 良く分からない。
挨拶してすれ違っていく生徒達にうなずきを返しながら、ジャージ姿の美空は思う。乱暴に束ねた長い髪が、風に揺れた。

 あんな子のどこがいいんだろう。

美空の、素直な感想である。教師も人間だから、好き嫌いくらいはある、”いじわるめがね”君は、美空にとって嫌いな生徒だった。
 試験監督すれば寝ているし、食事の後の昼休みでも寝ている。体育の時に走れというとすぐに体調不良を訴えはじめる。

 気に食わない。

なによりも気に食わないのは、その目だった。たまに見せる、大人を馬鹿にした目つき。大人だけじゃない。周りの生徒も、誰も彼も、馬鹿にしていると感じるときがある。

それで、手をあげたくなるときも、何度かあった。
実際やってないのは職を失うのが恐い、ただそれだけである。

 イライラして足をとめ、窓の外を見ればちょうどその”いじわるめがね”君が喧嘩というより、一方的に殴られている。いやな物を見たと思う美空。

 喧嘩の相手は美空が顧問をやっている女子バスケ部の生徒で、藤堂海美である。
ますます顔をしかめる美空。内心でこのままやっちまえと思わなくもない。

筋のいい元気な子で、クラスでも例外的に”いじわるめがね”君を嫌っている。
馬乗りになって”いじわるめがね”を殴っている。さすが、私のバスケ部は運動能力が違うわねと思いながら、2、3回殴られるところを見て少し、溜飲をさげてから窓をあけてコラ、と声をかけた。

職員室に連れて行き、喧嘩両成敗ということで二人ともしかって喧嘩をするなと指導する。
殴られるほうにも理由があるという理屈で、さすがに美空もひいきが過ぎるかと思ったが、相手の”いじわるめがね”君がなにも言わないので、強行した。

 眼鏡の底で涼しい目が笑っている。自分の感情を読んだ様な、そんな視線だった。
羞恥に顔を赤らめ、通知表にめちゃくちゃ書いてやると思いながら、二人を帰させる美空。
教育者として自己嫌悪したのは、30分ほどたった後だった。

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 ”いじわるめがね”君こと矢神斉一郎は寒いくらい青い怜悧な瞳を眼鏡で補って、どうにか小学生の雰囲気を持つ少年である。興味をもってその顔を覗き込んでしまったら、その子はその瞳を永遠に魅入ってしまうと、評判だった。
 先生に怒られた帰り道、いじめっ子藤堂海美と”いじわるめがね”は並んで家に帰っている。

 もとより同じ母子家庭で、もとより幼馴染である。
親同士の仲があまり良くないので一緒に遊ぶ機会は少ないが、海美は、数少ない機会を逃したことがない。一緒に帰るのだってそうだ。どうしても我慢できないときは、喧嘩だといって呼び出して喧嘩して一緒に帰った。

”いじわるめがね”は自分より少し背が低い癖に歩くのが速い。意地悪だと海美は思った。
口を開いた。
「なんで黙ってたんだよ」
「何を」
「喧嘩のこと。その、俺様が先に殴ったって」
「言ってどうするんだ」

 ちょっと考える海美。頭はあんまり、いいほうではない。
「……先生に怒ってもらう」
「趣味じゃないな」
「なんだよ、趣味って」
「好みさ。僕は自分の好きなように生きる」
「ばっかじゃないの。子供みてえに」
 他人がどういおうと”いじわるめがね”は本当に気にすることはない。たとえ幼馴染が泣きそうな顔で言ったってそうだ。この日も、そうだった。海美の言葉を完全に無視して、”いじわるめがね”は歩いていく。
ひどいいじめだと思う海美。追いついて手を引っ張った。

「大体、お前が俺様の子分になるのを断るからいけないんだ。子分になれ。そうしたら一番の子分にしてやるし、それに俺様が、色々助けてやる」
「断る」
 即答だった。どんな大喧嘩してやっつけた後でも、必ず即答。”いじわるめがね”は本当に意地悪だ。
「そ、そんなに嫌か」
 声がヘンな感じになる海美に、足を止めて海美が横に並ぶのを待つ”いじわるめがね”。
「他人に指図されるのは趣味じゃない」
 海美は”いじわるめがね”に頭突きする。片手にカバン、片手に”いじわるめがね”の手をもっていたので、仕方なかった。抱きしめるように受け止めてちょっと伸ばし始めた髪にさわる”いじわるめがね”。どこか優しい声。

「僕と繋がりたいならそう言う方法はやめたがいい。教えてやろう。君が僕の子分になればいいんだ。そうすれば楽になる」

 髪から耳に触られて電気が走って、海美は未知に怯えて身を引いた。
「だ、誰が」
「結局同じことだ。僕は基本的に駒の好き勝手やらせる。目的が単に僕と仲良くするだけなら主従にはこだわらないほ」

”いじわるめがね”は終いまで言えなかった。
二人分のかばんが、”いじわるめがね”に投げつけられる。
一緒に帰るときにカバンをもつのは小さいころからの海美の役目だったのだ。

「この”いじわるめがね”!!」
 顔を真っ赤にして走っていく海美。”いじわるめがね”は、カバンを見て、捨てていくか持って行くか考えた後、最終的に警察署までとりに行くのは面倒と考えて持って行くことにした。

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