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zoom RSS ボーナストラック 式神外伝

<<   作成日時 : 2005/12/22 14:59   >>

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「それより光太郎。小夜を目覚めさせて」
「どうやるんだ?」
 小夜の顔を見た後でふみこの顔を見る光太郎。少し微笑むふみこ。

「キス」
ふみこの言葉に、光太郎の髪の毛が逆立った。面白い顔だと思うゆかり。
光太郎は顔を真っ赤にして小夜を抱く手に力を込める。

不思議そうに、少し顔を傾けるふみこ。
「魔術の基礎、教えたでしょう」
「い、いや」

目を逸らす光太郎。考える、視線あちこち。
「いや、まて、眠りの魔法をかけたのがふみこタンなら自分で解呪すれば」
「問題はそれだけじゃないのよ。この娘、他の魔法病も併発させているから」
「なんだよそれ」
「つべこべ言わず、キスしなさい。それで直るって私が言っているんだから」

 光太郎、なんだかすごく小さくなった気がする小夜を見る。
恥ずかしさで顔を見ていられなくなる。

「で、でも……というか、俺、いや、俺なんかがやっていいのか。それにふみこタン」

 クスクス笑うふみこ。ミュンヒハウゼンに用意させた椅子に座る。
「怒りはしないわよ。キスくらいで」
 だが少し考える。照れる光太郎を可愛いと思ったが、照れすぎるのは、ちと面白くないという複雑な女心が鎌首を持ち上げた。
目を細めて視線を動かし、口を開く。
「……ああ、でも後で私の部屋に来なさい」
「い、いや、でもその俺……そもそも寝ている人に何かするというのは……だからっ」
 真っ赤のままだんだん小声になる光太郎。
「そんなものはどうでもいいわよ」
 3分前と全然別のことを言い出すふみこ。なんか本格的に腹が立ってくる。そんなに小夜が大事か。 後で光太郎に女装でもさせてお姉さまと言わせてやろうと考えるふみこ。

「いいからはやくしなさい!」
 命令。光太郎は顔を爆発させたように赤くして、下を向く。
「でも、その俺、はじめてだし」
聞こえるか聞こえないかの小声でついに告白する光太郎。くそ、どうせ俺はモテねえよと行き場のない怒りの声を心の中でつぶやく。

しばらくの間。

 ふみこ、急に上機嫌になる。少女のようにくすくす笑い、深呼吸。
もう、しょうがないわねえ。

「そうだったの?」
「お、女のこと俺よくわかんねえし」
半ば自棄になって情けない本音を言い始める光太郎。年並みには女の子とも仲良くしたいと思うのだが、予想外のところで相手が怒ったり泣いたりで、全然思い通りになったことがない。

 眼鏡を取って髪をふり、優しく微笑んで手を伸ばすふみこ。
光太郎の首筋から美しい腕を回した。 
「仕方ないわね。目をつぶりなさい」
「え?」

ふみこ、どこか真剣で、どこかふてくされたような、それでいて照れた微笑みで顔を近づける。

「最初でなければ、いいんでしょ?」
ふみこの香りは、どこか甘い花の香りがする。
目をつぶるふみこ。背中の激痛に耐えながら思いっきり首をのけぞらせる光太郎。

「た、タンマ、タンマ!ふみこタン!」
「誰にだって最初はあるわよ。ほら、覚悟しなさい。10分ぐらいで許してあげるから」
「長いよ!」
「すぐに短いと思うようになるわ」

 話を聞きながら鼻血をだしそうになるゆかり。頭痛か手でこめかみを押さえながら、左手を伸ばしてゆかりの視線をさえぎるミュンヒハウゼン。

背後から手裏剣。首を横に振ってかわすふみこ。

 背後からおそるべきオーラを出したロジャーが忍者刀を抜きながら言う。

「人のものに何をしている、泥棒猫」
 つまんなさそうなふみこ。
「あら、まだ生きていたの。残念だわ。へぼ忍者」
「いいから離れろ、それは僕のものだ!」
「笑わせないで、この世の男はみんな私のものよ。お前以外」

 ミュンヒハウゼン、光太郎にうなずく、光太郎はこっそり小夜を抱いたまま裏口から外に脱出。姿をくらませる。


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