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zoom RSS 最終日 再生 浮上3

<<   作成日時 : 2005/12/17 19:45   >>

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 厚い水面を抜けて、太陽の光がそこまで差し込んでいる。
浮かび上がる船首部分を、太陽光が輝かせていた。

 カール・T・ドランジが呆然としていたのは、そんなに長いことではない。
近くの水面から大量の泡が立ちはじめ、カールは背後から急いでという声を聞いた。

ほとんど無意識に機体を操り、水中に飛ぶ。

ソナーに反応。カールはコクピットを装甲透過モードに変更すると、浮上を続ける夜明けの船の艦首部分を肉眼で確認した。

 今日は、ひどく奇跡が起こる。
カールはそう独り言を言った。

エンジンをミリタリーから離床推力、すなわち全力回転に移行させ、艦首に触れる。
舞踏子がその手にタッチをしていった気分。後は任せたと。

 再び沈み始める艦首部分を支え、海上を目指すカール。
エンジン過回転を示す危険信号が出ていたが、カールは無視した。

任せられた、任せられたのだ。
歯を食いしばるカール。 彼は自分の想い人が遠くにいったことを感じたが、だからと言って絶望はしなかった。友を見捨てるカールはカールではない。歴代のタキガワが腕を伸ばしカールの機体を押し上げる。

急に軽くなる。

 2機の地球軍仕様のH級RBが艦首を支えている。

水中電話起動。
画面に泣きそうな渋い顔が映る。驚いた顔。

「貴殿は……指名手配犯のカール・Y・ドラケン」
「ハリー、ハリーオコーネルか」
 カールも驚いた。
別のウインドウが開く。
「知り合いですか。大尉?」
 火星先住民の子供。太陽系総軍のパイロットスーツを着ていた。

「何故こんなところにいる」
カールの言葉に顔をしかめるハリー。
「それはこちらの台詞だが……」
ハリーは誰かに導かれるように口を開いた。
「親切な吟遊詩人が教えてくれたのだ。東にいけと。そこで私は何もかも取り戻すとな」
「僕は大尉がいるところなら、どこまでもついていきます」
 熱っぽく言う火星先住民の子供。
カールはそれを聞いて、笑った。

「マイケルは変わりないようだ」
「? なんで貴方は僕の名前を知っているんだ」
 大きな目を丸くして言う火星先住民の子供……マイケル・コンコードに微笑み、カールは透明な涙を流しながら言った。

「分からないが、そう思ったのだ」

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