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zoom RSS 最終日 今日の原さん(1)

<<   作成日時 : 2005/12/17 04:26   >>

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 長い長い道のようだったが、歩いてみれば大したことはなかったなと、是空とおるは思った。

 長いトンネルの、中である。
そのトンネルは長いこと昔に放棄されており、明かりはなく、遠くに見える外の光だけが、全ての便りだった。

足元でハードボイルドペンギンが、煙草を吸った。

あ、俺もいいすか。すみません。と、火を貰い、ペンギンと並んで煙草の煙を吐く。

休憩終了。んじゃ、またいきますか。是空とおるはまた歩き出す。
彼についていく、無数の足音が聞こえる。ながみ書記長が一人、歌を歌っていた。

トンネルの中を歩く。

 道を半ばして長いと思ったとき、是空は焦らなかった。
終わりが見えて走り出しても良かったが、是空は急がなかった。
青空が見えたような気がしたが、是空は無理をしなかった。
石橋を叩き、どんな呼び出しにもぶち切れずに答えてこれを支援する、それが是空の生きる道である。

 トンネルを、抜けた。

前髪が、風に揺れる。

 きたぜ、原さん。

延々と続く、そこは緑の草原だった。

 下を見れば昔送り出したBALLSが一匹、飽きることもなく草を植え続け、小さなアームで水を与えている。

なんだか俺たちみたいですねと、誰かが言った。全員、大笑いした。

 英雄の数だけ介添え人がいる。是空以下の大絢爛舞踏祭支援大隊は2000を越えるBALLSと共に世界移動に成功。元乾湖、今は草原に生まれ変わった場所を降り始めた。


 原と森は昔懐かしい制服に着替えて全員を出迎えた。
その横、RB工場では6時間に一騎の割合で続々と新型RBが生み続けられている。
すでにドックの中の潜水艦は竣工しており、鯨に似たフォルムを浮かび上がらせていた。

2000を越えるBALLS達は小さな旗をもったBALLS達に先導され、次々に新しいRB工場の建設を開始する。

「ご苦労だったわね、是空くん。すごい数じゃない」
 是空は金のBALLSに善行の顔が書いてあるのに気付いて、ことさら陽気な声をだした。
「いやー、大したことありませんよ」
「本当に?」
「ええ」
 優しく笑ってみせる。

 長い長い道のようだったが、歩いてみれば大したことはなかったなと、是空とおるは言った。

いつもそう、道を歩ききった人間はそう言うのだ。
明日もまた歩こうと、そう思うそれゆえに。

「じゃ、そういうことで、撤収します」
「総員撤収!」
 是空が原と逢ったのは、5年かけて4分だけである。

帰り始める仲間達を追う足をとめて口を開く是空。足踏み。
「困ったらいつでも言ってください。僕達は、英雄のいるところにはどこにでもいます。僕達は数が多い。僕達は英雄並みにしつこい。僕達は苦労に馴れている」

「苦しかったりしない?」
 原の言葉に是空は手をあげた。手を下ろす。

全員が振り返り、声を合わせて言った。
「いいえ、ちっとも」

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